学生ローンのサービスは、学生向けの消費者ローンである。
「消費者金融」というカテゴリにおいては、一般にある消費者ローンとなんら変わりはない。
ただ、貸付対象者が学生という面において、他とは異なる特異性を有する。
「学生ローン」というと、海外では日本における学生支援機構の意だが、最近ではイギリスの学生ローンでの債務不履行が大きく話題となった。
それも、借入金額が少額であればあるほど、滞納者が増えていくという不思議な現象が起きている。
このニュースはネットを中心に大きく報じられたが、一部テレビのニュースでも取り上げられた。
日本での「学生ローン」は学生向けの消費者金融だ。
海外で学生ローンの返済が困難となっている中、学生支援機構で多額の借金を背負っている学生が、果たして返済はきちんとできているのか?
そんな疑問が頭をよぎるのだが、比較対象が根本的に誤っている事に気が付いた。
海外の学生ローンと日本の学生ローンでは性質がまるで別物なので、比較のしようがないのである。
海外の学生ローンは、いわば公的資金であり、日本の学生ローンは民間の消費者金融だ。
審査基準も異なるし扱う額が違う。
例えば、日本で4年制大学に4年間通うとすると、1千万円はくだらないだろう。
医学部や歯学部等、薬学部等では、年間800万円が相場である。
一方、民間企業である学生ローンは、一人当たりの平均貸付額は20万円がいいところだ。
他社の借り入れがある場合は別だが、個別で考えれば20万円という債務は、決して返済不可能な金額ではない。
学費を貸し付ける海外の学生ローンとは、貸し付ける額のケタが違うのだ。
しかし、ここで一つ疑問がある。
イギリスの学生ローンでは、借入金額が少ない学生ほど、返済が困難に陥っているという点だ。
ここがどうにも解せない。
日本の学生ローンの場合でも、不良債権化する比率は確かに金額に比例するわけではないが、回収に手間取るのはやはり借り入れ残高が大きい債権である。
残高の少ない債権は、連絡さえ取れれば比較的回収は容易だ。
そこで推測にすぎないが、イギリスの学生ローンの場合、公的な意味合いが大きく、回収がそれほど厳しいものではないのではないか?
むろん、日本の学生ローンが回収が厳しいというわけではないが、民間企業で営利企業である以上、回収は必至になるのも当然だ。
それ以前に審査が慎重になるので、回収困難な申し込み者に対しての貸付は行わない。
そこが大きな違いなのではないかと考える次第だ。
いずれにしても、民間企業と公的団体という大きな違いがあり、性質が異なるので、比較対象するようなものではないという結論でまとめてみたいと思う。